『未成年』で知ったカーペンターズのある曲が、結局一番好きになった

本格的に音楽を聴き始めたのは中学生の頃である。邦楽よりも洋楽を好んで聴いていた時期だった。カーペンターズもその流れで耳にしたが、当時の認識は「過去のアーティスト」。リアルタイムの存在ではなく、すでに評価が定まった名曲として聴いていた。そんなカーペンターズの楽曲の中で、ドラマで使われて初めて聴いた曲がある。『I Need To Be In Love』(1976年/邦題:青春の輝き)だ。

『聖者の行進』と『人間・失格』を調べ、『未成年』が正解だった

どのドラマで使われていたのか、最初は思い出せなかった。漠然と頭に残っていたのは堂本剛が出演していたという記憶である。『聖者の行進』(1998年)だっただろうかと調べてみるが違う。では『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(1994年)かと思い直すが、これも違う。ようやく辿り着いた答えが『未成年』(1995年)であった。補足すれば、堂本剛が出ていたのは『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』。『未成年』には出演していない。こうして一つずつ確認していくと、自分の記憶がいかに曖昧であるかを思い知らされる。

野島伸司が脚本を手掛けている作品ということで記憶が曖昧になったか

ここで挙げた三作品は、いずれも野島伸司が脚本を手掛けている。野島つながりで記憶が混在したのかもしれない。どれも当時は夢中で見ていたはずで、キャストも非常に豪華だった。しかし、いま振り返ると内容をほとんど語れない。好きだったという感情だけが残り、物語の細部は抜け落ちている。まったく情けない限りだ。

『I Need To Be In Love』は『未成年』の複数ある主題歌のひとつ

話をカーペンターズに戻そう。冒頭でカーペンターズを「過去のアーティスト」と説明したが、印象に残っているのが1983年に起きたボーカル、カレン・カーペンターの死。このニュースで拒食症という言葉を知った。カーペンターズを聴き始めたのはこれがきっかけかもしれない。どの曲から聴き始めたのかは定かではないが、好きだった曲ははっきりしている。『Close to You』(1970年/邦題:遥かなる影)、『Superstar』(1971年/邦題:スーパースター)。『This Masquerade』(1973年/邦題:マスカレード)も好きだったが、レオン・ラッセルのカバーだった。この記事を書く段階で知った次第。もっとも有名な曲は『Yesterday Once More』(1973年/邦題:イエスタデイ・ワンス・モア)になるのだろう。そして、『I Need To Be In Love』は『未成年』の主題歌かと思っていたが、複数ある主題歌の一つであった。この点も今回調べて知った。この頃は主題歌か挿入歌かなどは意識せず、ただテレビで流れてくるドラマや音楽を楽しんでいただけだった。

殺伐とした空気が漂う現代、カレンのボーカルは心に染み入るか

結局のところ、『I Need To Be In Love』はカーペンターズの楽曲の中で一番好きな曲になった。前述した曲はいずれもスローテンポで、カレンの声は女性としては低めである。そのため、僕でもカラオケで歌いやすかった。これまでの記事でドラマの使用曲は他人とかぶらないことが多いと書いてきた。しかし、カーペンターズは例外。『I Need To Be In Love』のみならず、その他のカーペンターズの曲もほかの人とかぶった。それだけ普遍的で時代を越えて共有される音楽だったのだろう。カーペンターズの楽曲は、いまの時代でも自然に聴かれているように思う。殺伐とした空気が漂う現代だからこそ、カレンのやさしく、温かみのある声はより深く染み入るのではないだろうか。『未成年』をきっかけに出会った『I Need To Be In Love』は、そんなことを静かに教えてくれる一曲である。

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けんぞう

ドラマと音楽が大好きなおやじ。放送当時のことを思い出し、ゆるーく楽しみながらドラマで使われた音楽について綴っていく。

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