『何曜日に生まれたの』は3話から視聴、エンディングの主題歌が強烈

前回、『高校教師』(1993年)について書いた際に触れたが、野島作品で同時に浮かんだのが『何曜日に生まれたの』(2023年)である。何より印象に残っているのが主題歌だ。ホリーズの『バス・ストップ』(1966年)。とにかくかっこよかった。

『高校教師』は森田童子の歌声による主題歌が主人公の心を見事に表現

『何曜日に生まれたの』は知人にすすめられてから見始めた

いまはドラマを定期的に見る習慣がほぼなくなっている。それでも2023年までは見ていた。レコーダーのハードディスクに新作ドラマを一通り録画し、初回が面白ければ見続け、途中でつまらなくなれば離脱する。そんな風に見ている。『何曜日に生まれたの』はその初回すら録画していなかった。放送が始まっていること自体を知らなかったのだ。ところが、たまたま知人から「面白いドラマがある」と聞いた。調べてみると「ナンウマ」といって、見ていない人には何のことだかわからないような略され方をしている。脚本は野島伸司。まだドラマを書いているんだという印象だった。

エンディングは編集が秀逸、一本のミュージックビデオを見ている感覚

見たのは3話からだった。野島伸司らしいと感じた。そして、決定的だったのがエンディング。記憶で書くので間違っているかもしれないが、飯豊まりえが映るモノクロ映像に変わり、ホリーズの『バス・ストップ』が流れた。そして、ドラマのワンシーンが断片的に散りばめられていく。ズキューンと胸を撃ち抜かれた。編集がかっこいい。ドラマのエンディングというより一本のミュージックビデオを見ている感覚だった(オープニングも使われているようだが覚えていない)。世間的にはこのドラマの評価はあまり高くないようだ。しかし、個人的には悪くなかったと思っている。少なくとも、エンディングの印象だけで記憶に残る作品になった。1、2話を見逃しただけに、このドラマはもう一度見てみたい。

野島伸司は音楽を「物語の一部」として扱って際立った印象を残す

ここまで振り返ってきて、あらためて思うのは野島伸司と音楽の相性のよさだ。『高校教師』の森田童子、『未成年』のカーペンターズ、そして『何曜日に生まれたの』のホリーズなど、いずれも放送当時に最先端だった音楽は使っていない。タイアップ全盛の時代にあえて古い楽曲を使って物語に新しい意味を与える。その手法は90年代から一貫している。音楽を「宣伝の道具」としてではなく、「物語の一部」として扱っているからこそ際立った印象を残すのだろう。

ホリーズの存在は知らなかった、他の曲を聴いたが響かない

ここでホリーズについて触れておきたい。記事中ではさらりと書いてきたが、実のところまったく知らなかったバンドである。調べてみると、イギリスのバンドでビートルズの後に登場したらしい。そして『バス・ストップ』がヒットしたということだ。せっかくなので、ホリーズの公式サイトからYouTubeの公式チャンネルにアクセスし、他の楽曲も聴いてみた。しかし、どれも響かなかった。さらに不可解だったのは『バス・ストップ』はアップされていないこと。ヒット曲なので無料では聴かせないという判断なのだろうか。

90年代から2020年代に至るまで、相変わらず野島作品の音楽はいい

結局のところ、『何曜日に生まれたの』というドラマを思い出す時、真っ先に浮かぶのは物語ではなくエンディングで流れる『バス・ストップ』である。それは野島伸司のドラマにおいて音楽が果たしてきた役割をそのまま示しているように思う。作品の評価がどうであれ、音楽と映像が結びついた瞬間の衝撃は心に残った。やはり野島作品の主題歌や挿入歌はいい。その印象だけは90年代から2020年代に至るまで変わらない。

主題歌は極秘で『御上先生』の初回、ワンオクが時代の空気を撃ち抜いた

けんぞう

ドラマと音楽が大好きなおやじ。放送当時のことを思い出し、ゆるーく楽しみながらドラマで使われた音楽について綴っていく。

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