『何曜日に生まれたの』(2023年)の記事でエンディングの曲が強く印象に残ったと書いた。しかし、それをはるかに上回る曲があった。『御上先生』(2025年)の主題歌として使われたONE OK ROCK(以下、ワンオク)の『Puppets Can’t Control You』である。
『何曜日に生まれたの』は3話から視聴、エンディングの主題歌が強烈
放送開始前に予告編を見たが、それほどの期待感はなかった
2025年のある時期から、あまりドラマを見なくなった。つまらないからではない。プライベートな事情で見ることが難しくなったからだ。それでも、TBSの日曜劇場だけは欠かさずにチェックしていた。日曜劇場は話題作が多く、最低限のクオリティは越えてくるだろうという安心感があった。『御上先生』の放送開始前、予告編を見た印象は悪くなかった。ただ、期待値が異様に跳ね上がるほどでもなかった。それなりに楽しませてくれるだろう、その程度の感触で初回を迎えた。
本編に張り詰めた空気感、エンディングの主題歌で傑作の予感がした
本編が始まると空気が違った。張り詰めた緊張感が漂う。現代社会の閉塞感、息苦しさ、理不尽さ。それらを描きながらも、何かを変えようとする意志が画面越しに伝わってくる。静かでありながら、登場人物の内面では何かが燃えている。自分の中でアドレナリンがじわじわと放出されている感覚があった。そして迎えたエンディング。ワンオクの『Puppets Can’t Control You』が流れ出した。ゾゾっと鳥肌が立った。音が鳴ったというより突き刺さってきたという方が近い。しびれるようなサウンド。怒りと抵抗、そして自由への希求が音の塊となって押し寄せてきた。『御上先生』は傑作になる予感がした。
関係者すら知らなかったサプライズ、主題歌の初公開は演出の一部
放送後、興奮が冷めないまま『御上先生』の公式Xにアクセスした。生徒役のキャストたちが初回のエンディングを見て騒いでいる。彼らはワンオクの『Puppets Can’t Control You』が主題歌として使われることを事前に知らされていなかった。つまり、あの衝撃は視聴者だけではなかった。作品に関わっている当事者ですら度肝を抜かれたのだ。ドラマの世界観と楽曲が完璧に結びつき、その情報すら演出の一部になっていた。
音楽ファンとしては恥ずかしながら、ワンオクを知らなかった
ここで恥をさらすが、僕はそれまでワンオクのことをほとんど知らなかった。ラジオで名前を耳にしたことがある程度。しかも海外のアーティストだと思っていた。それほど、音楽ファンとしてのアンテナは更新されていなかった。その後、『御上先生』のプロデューサーがワンオクに強く感化されていたこと、ワンオクが国内外に熱狂的なファンを抱える存在であることを知った。
作品と音楽が完全にシンクロ、その記憶は残っていくであろう
最終回を見終え、初回で抱いた予感は的中した。『御上先生』は2025年のドラマという枠を越え、日曜劇場の歴史に残る傑作である。その完成度を一段階引き上げたのが、ワンオクの『Puppets Can’t Control You』だった。このドラマが描いたテーマは現在進行形の問題ばかりである。そこに強度のあるサウンドが重なった。音楽が物語を補強するのではなく、物語と同じ熱量で並走していた。こんなにも凄いサウンドに、ドラマという形で出会えたことに感謝したい。『御上先生』の主題歌は時代の空気を撃ち抜いた。作品と共にその記憶は残っていくであろう。
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